にーやんのブログ

三振したにーやんが再ローを経て司法試験に合格した弁護士の物語である

弁護士の起案も司法試験と同じ要素がたくさんある。の巻

三振して弁護士になって活躍中(自称)のにーやんでーす。

弁護士4年目にもなると司法修習生や後輩の弁護士を指導することもでてきます。

訴状や準備書面を起案してもらいチェックすると、実力がある人かどうかよくわかります。
訴状や準備書面なんかは、実務家が起案する法律文書であるので、司法試験と同じ要素がたくさんある。

チェックしていて司法試験と同様に重要な点だと思うことは、次の点

  1. 主張内容が簡潔にわかりやすくまとまっていること
  2. 法律要件に則して、もれなく整理されていること

主張内容については、「なぜこんなことを書いたのか?」という書面を作成する輩がいたりする。
「法律要件の位置付け、争点との関係は?」と問いただすと回答できない人がいたりする。
これは本末転倒。いったい何のための書面なのか?
できの悪い例だけれど、実際にそういう弁護士がいたりする。

原因としては、そもそも法律要件が頭に入っていないまま起案している。
大問題である。

司法試験の問題を解く場合も同じで、法律要件との関係でどの要件の問題なのか意識しなければならない。
次に、事実認定の問題においても、どういう主張をするためにどのような事実が必要かということも、法律要件に基づいてまず主要事実を確定しなければならない。
本件における主要事実として主張すべき事実がどういう事実であり、直接証拠がない場合や乏しい場合には、間接事実が何か、その間接証拠は何かを考える。
法律論は、こういった基本構造を理解していたら、外れた主張をするおそれはないはずである。

以上を前提に、簡潔にわかりやすい文章を起案するということも大切である。
司法試験の添削時間と同様に、裁判官の時間は有限なのである。一読了解の文章を心がけなければならない。
論点が1つや2つならいいが、多数の論点について論じる場合には、ナンバリングも意識しなければならない。当然、理解しやすくするための手段である。
読み手に通用しない文章は、法律論以前の問題として、不利にしかならない。

訴訟では、法律論として主張する内容が成立するか成立しないかであるから、法律要件に則して、事実を主張する。
評価の問題としては、法解釈と事実の評価があるが、いずれにしても、法律論を前提として、経験則・論理則に基づいて、簡潔に正当性を主張する。

司法試験の答案も実務家のしている起案も基本的には同じことをしているはずである。
些細な細かい論点ばかりに目を奪われずに、大きな視点として法律論を論じるということを意識できれば、どんな問題にも対応できるはずである。
逆に、これができていない場合には、知識がどれだけあっても論文試験では通用しない。

受験生の一番のミスは、三振した自分自身の経験を踏まえて言うと、こういった大きな視点を見失って、知識の有無だけで自分の実力を発揮できない答案になってしまうことにある。
不合格になっても、この点が切替えができないと、いつまでもたっても合格答案に達しない。

合格の第一歩は、自分自身が変わることにある、という不合格者も少なくない。
合格して、実務家としてのスタート地点立ってください!
このブログを見てる受験生をにーやんは応援しています。
が、にーやんができることはアドバイスくらい。
やるのは自分自身ですよ!頑張れ!