にーやんのブログ

三振したにーやんが再ローを経て司法試験に合格した物語である

弁護人における真実発見のための役割?の巻

まいどでーす。

にーやんでっす。

修習中です。

いきなりですが,民事,刑事,いずれも「事件」としてひとつひとつ向き合って記録とか読んだり,依頼人や相手方,被告人を見るわけです。

事件によっては,なかなかエグい事件もあります。

そういうのばかり見てると,
「あぁ,人間って言っても聞かないどうしようもない北○鮮の○○みたいな奴っているんだなぁ」
とか,
結構,絶望的になったりします。


例えば,そんな絶望的になるような,更生の見込みもなさそうな被告人の国選とかやることになったらどうしようとか。
どうしようもない奴の離婚調停をすることになったらどうしようとか。
そんなことを考えたりします。

弁護士として仕事を引き受ける以上,依頼人,被告人の利益のために職務を全うすべき。
そう思うのです。
個人的にどう思うかは別として引き受けた以上は,全力で擁護して権利・利益を守る。それが弁護士の役目だなと思います。

そういえば,ある検察の教官と飲みに行ったときに話したこと。
「たとえ被告人が犯人だったとしても,訴訟では,合理的疑いを超える証明ができない以上は無罪にすべく,弁護人として活動すべき」
ということを話した。
そうしたら,その教官も納得していた。

もちろん,犯罪者を世の中に放り出すことが正義だとは思わない。
しかし,誤判防止。無罪の者を有罪にしないための制度として,「疑わしきは被告人の利益に」という原則があるのであって,犯罪者が無罪放免になるよりも,無実の者が死刑等の人権侵害を防止することこそが弁護士の役目だと,そう思う。

犯罪者を有罪とできないのは,国家権力の怠慢。むしろ,犯罪者には適正な刑を科すべきと,個人的には考える。
でも,弁護人としての役割がある。
一般人には通じないけれど,弁護人の役割なんてものはそんなものだって思っている。

ただ,個人的には,犯罪者には,それ相応の責任を科されるべきであると思う。だからこそ,ちゃんと捜査機関は証拠をそろえろよと。例えば,早朝の交通事故だからってただの過失とか,癲癇持ちだったからとかだけで納得する前に,そいつらが酒に酔ってたかもさらに確認しておけとか。
仮に,酒に酔った上での事故だったら,罪名も変る可能性ある。
というか,そういうのは情状としてもすごく影響するわけで。

実際に,そういう話を昔に聞いたことがある。本当かどうかはわからないけれど,たぶん本当だろうなと。
ただ,そういうとき,弁護人としては,「警察は酒気検査してない。被告人の利益を考えるとこのミスは指摘できない」となる。

個人的には通報してやりたいくらいの情報でも,これは警察のミスであって,そういうことは弁護人としてはいえない。

適正な刑罰権の実現。これが刑事手続の目的だと思うけれど,裁判所としては,真偽がわからない以上,利益原則を適用するほかない。
それは,仮に真実として人を殺していても,真偽不明なら無罪だってこと。

弁護人としては,実は被告人が人殺しの犯罪者だと知っていても,利益原則から,真偽不明ゆえ無罪と主張しなければならない。
個人的には,そんな人間はちゃんと犯罪者だとして認定してもらい,刑を与えられるべきだとも思う。
でも,検察官が立証できない以上,弁護人としては,疑わしきは被告人の利益に,と主張せざるを得ない。
これは,個人的には誤判防止のため。裏返せば,真実発見のため。

疑わしきは被告人の利益に,という原則を貫くとどうなるのか?
2パターンある。

1 ほんとはやってるけど無罪になるパターン
2 ほんとにやってないから無罪になるパターン

2の場合は無罪で良かったねとなる。
しかし,疑わしきは被告人の利益に,の原則がなければ,2のパターンで有罪となる可能性がある。
つまり,無実の人が死刑,懲役刑などの人権侵害にあう。しかも,国家権力によって,しかも「適法に」だ。
「適法に」というのがポイント。
ナチスのように,「適法に」ばんばん無実の可能性のある人が国家権力に殺される危険性があるということである。
怖いことだ。
だから,そういうのを考えると,たとえ犯罪者かもしれないけれど,無実かもしれないならば,ひとまず無罪だ。
それが今の日本の憲法の考え方。疑わしきは被告人の利益に。この原則はそういう思想の上に成り立つもの。

しかも,無実の人が犯罪者とされた「事件」では,なお深刻な事態が生じる。
グレーの人を裁く。そうすると,やった人はもちろん,やってない人も裁かれてしまう可能性がある。
やってない人が裁かれた場合,かなり深刻で,世の中がこの事件の犯人は捕まって裁かれたと思ってしまうことと,実は真の犯人は自由に世の中にいるということ。
これが1番厄介。
再審で無罪になったケースが最近ちょくちょくあるけれど,その裏で,
「じゃあその事件の真犯人は?」
と考えることはないだろうか?
この点を報道するものはあまりない。しかし,ここが再審決定を経て無罪になったケースでは1番重要なポイント。

真の犯罪者を捕まえることこそが公益にとって1番重要。

で,弁護人としては,そういう冤罪を生まないための弁護活動として,疑わしきは被告人の利益に,の原則の下,証拠に基づいて犯人だといえない以上,無罪を主張すべきであると思う。

これは,真実を発見することこそが刑事手続で重要だということとも通じる。
真実が曖昧(真偽不明)なときに有罪とするな。これが現行法の建前。

実は,検察官と弁護人はともに真実発見のために協働する活動を,いずれの立場からやってるにすぎない。
にーやんは,そう思うわけです。



月曜日からまた起案頑張ります。