にーやんのブログ

三振したにーやんが再ローを経て司法試験に合格した弁護士の物語である

H29の民訴論文は去年に引き続き問題文がよくない!と思いました。

まいどまいど~。

にーやんです。

早くも試験終了から一週間近く経ちそうです。

今日は民訴の話。


「おい!民訴の設問1!課題が何かわかりにくいやんけ!」

そう思ったのは小生だけではないはず。

J1は
「あなたの言うような判決(引換給付判決)を直ちにすることができるのでしょうか。」
ということをPに聞いており、これも課題のひとつと考えてしまっちゃうのもやむを得ないことでございます。
まぁ、配点が15点分で、「まず,Yの代理人AとXとの間で契約が締結されたとの心証が得られたとして,その事実を本件訴訟の判決の基礎とすることができるのかについて,考えてみてください。」と書かれていることからすると、この点を検討することが課題であることは明確といえようが……
とはいえ、「まず」これを考えて、それから引換給付判決できるか考えろという課題ともとれる。

まぁ、そうすると、「まず」弁論主義違反の話を書かなければならないわけじゃないっすか。
本問の場合、引換給付判決が訴訟物を逸脱した判断であるから処分権主義違反明白。
そして、代理による契約締結は契約に基づく請求の場合、主要事実に当たると考えるのが通説・実務なので、弁論主義違反。
つまり
処分権主義 ×
弁論主義  ×

ということで、いずれにしても引換給付判決できないという点に変わりはない。
課題の趣旨からすると、「まず」弁論主義違反について検討すべきところ、まず処分権主義違反について検討して、さらに弁論主義違反を検討しました(汗)
この手の問題は処分権主義から検討してたという「慣れ」かもしれません。
あと、処分権主義については不要か。

だ、だって論点落とすの怖かったんや(涙)

無駄に紙幅を費やしたが、比較的今年の民訴は優しい方だったので、書く時間は結構あった。

問題は、設問2。何を書くかはなんとなくわかるものの、どう書けばいいのかよくわかんないという感じの問題。
この問題を通じて、「申立事項」て訴訟物やけど、あれ?引換給付判決における引換給付部分の判断は「申立事項」なんか?とか、あんまり考えたことのないことを考えさせられた問題だった。

簡単に、答案構成をさらすと、

設問2
小問⑴
1 Stg:XのYに対する贈与契約に基づく本件絵画の引渡請求権 1個
⑴ 第1回口頭弁論期日におけるXの「仮にこの取引が売買であり」という部分は、訴訟物で主張する贈与契約と両立しない。
→ 予備的請求として訴えの追加的変更をするか釈明求めるべき
仮に、予備的請求として追加すれば、引換給付判決の余地あり
⑵ 予備的請求が追加されたことを前提にすると、Yの契約が売買だったとする旨の主張は、主位的請求との関係では積極否認、予備的請求との関係では、売買契約の事実については先行自白となる。
 同時履行は権利主張も必要
→ この点について釈明を求めるべき
2 以上を前提に、同時履行の抗弁権をYが主張する場合、引換給付判決OK
∵ 処分権主義の趣旨 Xの意思 Yへの不意打ち
小問⑵
1 220万円
⑴ 裁判所は220万円と評価することは弁論主義違反にならない
∵ 売買代金の時価相当額は法的評価
⑵ 引換給付判決は処分権主義違反にならない(質的一部認容判決)
よって、200万円の引換給付判決OK
∵ 全部棄却よりXの意思に沿う Yへの不意打ちもない
2 180万円
⑴ 上記⑴同様
⑵ 引換給付判決は処分権主義違反になる
∵ Xが自認する200万円以上の債務がないという申立事項に準じてみることができる(債務の一部不存在確認の訴えと実質的に同視)。Yへの不意打ちにもなる。
200万円の引換給付判決にとどめるべき。

小問⑵については、独自の発想で、まったくにーやんのオリジナル。こんな考えできるんかい?って感じなので、まったく自信なし。
この点については、復習を兼ねて調べようかと。
特に、最近は「訴訟物=申立事項」とは考えない学説が主流のようなので、その点を検討しよかなと。

ちなみに、「Xが自認する200万円以上の債務がないという申立事項に準じてみることができる(債務の一部不存在確認の訴えと実質的に同視できる)」。というのは、つまり、こうやってみればXの求める利益よりも有利な判断となる180万円の代金額の認定は申立事項を超える判断として、処分権主義違反だといえるんじゃね?ということ(私見)。

ということで、
ほなな。